ストーリーはおとぎ話みたいで、簡単に言えば真の友人のいない中年男が親友を見つけるというものだけれど、あのいつも難しい顔をしたダニエル・オートゥイユが悲哀があって、不器用でなんともいい。しかも骨董商という役柄で、アンティークの家具や店が見られるのも私にとってはうれしかった。それとジュリー・ガイエのファッションがすごく素敵だった!
ルコントについて考えてみると、彼の映画は大抵中年男が主人公のおとぎ話なんだと改めて納得。仕立て屋のぱっとしない男も、髪結いの女と淡い恋を抱く男も、親密すぎるのカウンセラーと間違えられた男も(すみません、これらを観ていない人にはなんのことかちっともわからないでしょうね。)これらの映画は恋愛映画のように思っていたけどおとぎ話と思った方がいいかもしれない。ルコントの映画はフランス映画の中ではとてもわかりやすく、にんまりと笑えて心にやさしい、そんなものかもしれない。と、単純に言い切れるかどうか。もっと考察してみます。
そんなルコントがなんと、監督をやめるというのです。これはすごくショック。その背景には監督自身のフランスのジャーナリズムに対する不信などがあるみたいですが、今予定している3本を撮り終えたら引退だそうです。おしいなあ。

スポンサーサイト