フェリシテの毎年1月2月はとてもひま。倉敷ものんびり観光客の人も少ないのです。こんな時は、こんな時しかできないことをしなければ、と思うのですが、1月は行く、2月は逃げるわけで、あっという間に3月、春がやって来るのが毎年の習わし。こんなことじゃなんの進歩もありません。と言っている間にも1月は行きそうになってます。
先日、着物を着て、小さなお茶会に出席しました。そして略式のお茶事も。こんな席に出られるほどの私ではありませんが、めったにないことなので、思い切って恥を覚悟で挑みました。着物もまだやっと形ができてきたホヤホヤ。それでもぴーんと張った空気、なんとも清々しい緊張感、日常ではあり得ない時間はいいものでした。そこで気がついたのですが、先日訪れたフランスの小さなパーティー、基本的な食事のマナーと、お茶の世界にはどこか共通点があるのです。言葉で言えば、少しニュアンスが変わって来てしまいますが、人をもてなすということ、呼ばれるということ、料理の出し方、心遣い、そして何よりこのひとつのイベントの流れをなめらかにするために、ずっと昔から続くマニュアルがどちらの立場にも身に付いているということ。この当たり前のような、暗黙の了解があってこそ、パーティーも、お茶事もスムースに進み、お互いが心地よい時間を持てるということ。縛られることを嫌うのではなく、束縛の中の自由を実感したのです。ちょっと言葉がオーバーになりましたが、とても遠いものが、すごく近くに感じた一日でした。
先日、神戸から着物を着た中年のご夫婦がフェリシテに来られました。お二人とも着慣れた着物姿、素敵でした。「ご主人、着物が似合われてますね」と言うと、「いえいえ、足が短いのが隠せるから、、」と奥さん。お二人の息がぴったりの楽しいご夫婦でした。着物を着るのも今の季節ならでは。倉敷の町を紬にウールのショールで歩いてはいかがですか?
スポンサーサイト
ただ時間が過ぎただけなのに、年が明けるということは少し神聖な気持ちになるものです。元旦にお雑煮を食べて、分厚い新聞を広げて、いつもはだらだらと過ごす元旦。だけど今年は年末にも予告しましたが、朝からシネマクレールへ行ってきました。そう、永遠の恋人グレングールドに会いに。元旦早々映画になんて行く人はあまりいないと思っていましたが、予想に反して結構いるんですね。実際はこの後の映画を観に来た人が多くて「グレングールド 天才ピアニストの愛と孤独」は客席半分くらいでした。この映画はドキュメンタリーで、グールドの亡くなるまでの50年間の写真や映像、なによりも彼の演奏がまるでリアルコンサート。お正月だということもすっかり忘れて酔いしれました。彼のファンの人、必見ですよ!
2日は毎年恒例、着物を着て倉敷へ。店に友達と集まって、おせち(頼んで作ってもらった)と、コーヒーでおしゃべり。それからこれも恒例のアイビースクエアの新春おもちつきに行きつきたてのお餅をきなことあんこで。それから阿智神社に初詣。おみくじをひいたら大吉!一緒に行った3人とも大吉!うぬ、今年は大吉が多いのかしら?
こんなお正月。これがお正月。
今年もよろしくお願いします。
フェリシテは1月6日(金)10:30から営業です。