分厚いセーター、ダウンジャケットはもう片付けようと思った矢先。今日は冷たいみぞれが降っています。
春生まれなのに、若い頃は春が大嫌いでした。春のなまぬるい風、花が咲いて、木々が青青としてきて、町を歩く人々が浮かれて来て、そんな春がいやでした。それがこの歳?になるとそれらが全部好ましい風景に思えて来たのです。
春の風はいつやって来るのでしょう?指折り数えている自分が笑えるけれど。
フェリシテの前の帽子屋さんも、今週からすっかり春ものに模様替え。素敵な帽子が並んでいます。ソワソワ。
先日、「不完全なふたり」「ユキとニナ」「パリジュテーム」などの監督の諏訪 敦彦監督の2001年の作品「H STORY」を偶然TSUTAYAで見つけました。フランス映画はほとんど把握していると思っていたし、特に好きな諏訪さんの映画を観残していたなんて。予備知識もないまま観て行くうちに、これがあのアラン・レネ監督の『二十四時間の情事』(原題 Hirosima mon amour ヒロシマ・モナムール)のリメイクだということがわかり、ちょっと衝撃。ヒロシマ・モナムールは心のどこかにずっと残っていた映画だったから。「H STORY」は、ドキュメンタリーとヒロシマ・モナムールの部分をかぶせた、不思議な映画。主演のベアトリスダルが役としての会話なのか本人の言葉なのかわからなくなる。この不思議感にすっかりはまってしまって、考えがまとまらないままだらだら観てしまった。ヒロシマ・モナムール、H STORY、どこからがどちらか、ことばはどちらのものなのか、心地よく混乱してしまった。好きな世界。

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