フランス映画が好きな訳はやはりフランス語の魔法にかかってしまうから、というのもひとつの理由。音楽の様に聞いていたい。前にも観て好きだった映画「しあわせな孤独」はデンマークの映画。この前コペンハーゲンに行ったばかりなので聞き覚えがあるのからかもしれませんが、このデンマーク語がまたいいのです。ぼくとつとしていて、喋る人がやっぱりみんないい人に思えてしまいます。「しあわせな孤独」がまた観たくなって借りて発見。主役の医師は「アウターウェディング」の花嫁の実のお父さん役の人だったのです。彼の名前はマッツ・ミクルセン。最初は全然気に求めなかったのにちょっと暗い彼の瞳にだんだん引き込まれて行くのです。「しあわせな孤独」は、簡単に言えば事故の被害者の恋人と加害者の夫が最初は同情から、だんだんそれが愛に変わって行き、家庭も壊れて行くというつらい映画。なによりもこの映画の映像に惹かれました。どのシーンもリアルで、日常の光。まるですぐそこで起っているような映写方法で撮られているのです。だから余計観る人は登場人物に移入して行く訳です。そしてこの映画、みんないい人なのです。いい人だからこんな展開になってしまうのかも。最初に言ったように、デンマーク語はデンマークの人の人間性を表しているのだと思います。寒い国でみんなが家庭を大事にする、私が見たデンマークも夜になると家族でろうそくの灯を囲んでの団らん、コートに身を包んだ子供を自転車に乗せて幼稚園に連れて行くお父さん。そして店ではあのぼくとつとした喋り方で暖かく迎えてくれる。なんだかまたデンマークへ行きたくなってしまいました。

そういえば近々「愛を読む人」が岡山にやって来ます。この原作「朗読者」に私は深くのめり込んで、あまりに好きなもので、映画なんか観たくないくらい。だけど気になって気になって。でもひとつ注文させていただけたならフランス語とまではいわないけれど、せめてデンマーク語でつくってほしかったな。そしてハンナ役にはあんまり大物女優でない人にしてほしかった。手遅れ。
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