近年、本町通りの夏の前の風物詩となったのが、下駄屋さん。最初は8年前、たしか8月の中頃、フェリシテの近くのあきさ亭に伊賀の下駄屋さんが3日だけの店を開店しました。みんなの希望で次の年からは夏前の今の季節に来られるようになりました。ご夫婦と息子さんの3人。息子さんも素敵な青年ですが、ご夫婦の着物姿がとても涼しげで着慣れた感じがよくて、それと3人のお人柄も相まって、3日間とも満員。近所の人、遠くから来る人、着物で来る人、前に買った下駄の鼻緒をすげ替えてもらう人。本町通はとてもいい感じ。そんな訳でフェリシテも下駄のお客さんが増えています。ジーンズに下駄、いいですね。
ついに「愛を読む人」を観てしまいました。3年くらい前に「朗読者」(原書の訳)を読んで以来私のベスト1になっていた小説の映画化なもので、観たいような観たくないような、複雑な気持ちでした。しかも舞台はドイツなのに英語。少年はともかくハンナはあのケイト・ウィンスレット、なんか違う。でもやっぱり観たい。それで一人では不安なので、やっぱりこの小説を原書で読んだと自慢する夫を誘って行って来ました。感想は弥生ちゃんとの約束で内緒にしておきますが、私のハンカチはぐしょぐしょ。とだけは書かせていただきます。そしてもう一度映画を、もう一度本をと思っています。これなら弥生ちゃん、いい?
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泉ちゃんのスケッチ展もたくさんの方々に来ていただいて、無事終わりました。毎年の恒例の同窓会みたいにみんな必ず来てくださいます。改めて泉ちゃんの人柄、もちろん絵も含めて人気を実感します。
さて、また元に戻って静かになったフェリシテ。これから当分は梅雨ですから、本町通りも人が少ないでしょう。こんなときこそたまっていた仕事、片付け、やらなければ。梅雨は決して好きではないけれど、雨という規制があってこそ身の回りが見えてくるって気がします。天気だと外へ気持ちが飛んで行ってしまうから。
今日は久しぶりに何も予定のない休日。叔父にもらった「マリア・カラス」のDVDを聞きながらカーテンを縫っています。雨こそ降っていないけれど、外は生温い風が吹き荒れ、外に出る意欲を押しとどめます。いつもと違う日常を演出してみるのもちょっと新鮮。

なかなかいい映画に出会わない今日この頃。そんな時、あれが観たくなります。その名も「冒険者たち」何回観てもいいのです。アラン・ドロンもリノ・バンチュラもいいけれど、中学生の頃初めて観た時、すっかりとりこになったのはジョアンナ・シムカス!知的でチャーミングで、涼しげで、ファッションもすごーくいい。特にビキニ姿が!レティシアの名前があんまり素敵で、彼女にぴったりで、ずっと頭に残っています。彼女こそがこの映画の主役。二人の男(ロランとマニュ)がレティシアを海に沈めるシーンは何回観ても、思い出しても胸がキュンとなる。音楽がまた気持ちを追い込んで行く。Les aventuriersの本当の意味は・向こう見ずな冒険家・策謀家、山師とあるけれど、どっち?。そういえばこの映画で人生が変わった人に会った事があります。彼はフランスに渡って映画の仕事を今もしています。ありえる!と思います。ジョアンナ・シムカスはその後シドニー・ボワチエという黒人のすばらしい俳優と結婚してアメリカに渡ったと聞いています。
高原泉スケッチ展
”ポンジュール!”
2009年6月13日(土)~21日(日)

今年も6月恒例の泉ちゃんのスケッチ展が始まりました。
今日の搬入の後、ゆっくり眺めていて、なんだかいつもと違う。全体がシック。それは紙の色のようです。それだけでフェリシテの空気まで変えてしまうのですから摩訶不思議。
いつものお楽しみ泉グッズもちゃんと並んでいました。
それにしても泉ちゃん、絵描きとしても、母としても、どんどん進化している。それは彼女のブログを観ていただければ納得してもらえるでしょう。http://www.izuart.com/
いつまでもなんかかわいい(?)泉の世界にどうぞいらしてください。
フランス映画が好きな訳はやはりフランス語の魔法にかかってしまうから、というのもひとつの理由。音楽の様に聞いていたい。前にも観て好きだった映画「しあわせな孤独」はデンマークの映画。この前コペンハーゲンに行ったばかりなので聞き覚えがあるのからかもしれませんが、このデンマーク語がまたいいのです。ぼくとつとしていて、喋る人がやっぱりみんないい人に思えてしまいます。「しあわせな孤独」がまた観たくなって借りて発見。主役の医師は「アウターウェディング」の花嫁の実のお父さん役の人だったのです。彼の名前はマッツ・ミクルセン。最初は全然気に求めなかったのにちょっと暗い彼の瞳にだんだん引き込まれて行くのです。「しあわせな孤独」は、簡単に言えば事故の被害者の恋人と加害者の夫が最初は同情から、だんだんそれが愛に変わって行き、家庭も壊れて行くというつらい映画。なによりもこの映画の映像に惹かれました。どのシーンもリアルで、日常の光。まるですぐそこで起っているような映写方法で撮られているのです。だから余計観る人は登場人物に移入して行く訳です。そしてこの映画、みんないい人なのです。いい人だからこんな展開になってしまうのかも。最初に言ったように、デンマーク語はデンマークの人の人間性を表しているのだと思います。寒い国でみんなが家庭を大事にする、私が見たデンマークも夜になると家族でろうそくの灯を囲んでの団らん、コートに身を包んだ子供を自転車に乗せて幼稚園に連れて行くお父さん。そして店ではあのぼくとつとした喋り方で暖かく迎えてくれる。なんだかまたデンマークへ行きたくなってしまいました。

そういえば近々「愛を読む人」が岡山にやって来ます。この原作「朗読者」に私は深くのめり込んで、あまりに好きなもので、映画なんか観たくないくらい。だけど気になって気になって。でもひとつ注文させていただけたならフランス語とまではいわないけれど、せめてデンマーク語でつくってほしかったな。そしてハンナ役にはあんまり大物女優でない人にしてほしかった。手遅れ。