みなさんもご存知でしょうが、フェリシテの奥の長いテーブルの横に有元利夫のリトグラフが掛けてあります。「遊戯」という題です。からし色のドレスを着た女性が、飛び上がるように駆け出している、踊りだしているのでしょうか。このリトとの出会いは20年前。有元が亡くなって間もない時、知り合いの画廊でした。その当時の私たちにとっては途方もない値段でしたが、あきらめられず、どうしても自分たちのものにしたいと思いました。そうして家中のお金をかき集め、娘の学資保険まで解約して手に入れました。私たち家族の宝物です。
それからは一枚の絵が生活の大切な場所にいつも置かれました。古い家、新しい家、そして私の店。絵の価値は値段じゃあありません。どれだけ好きかっていう事だと思います。
みなさんも生活や人生までも関わる、そんな絵を持っていますか?
最近観た映画、「THE LAST DAY]フランス映画なのになぜこんなタイトル?
この映画、まるで写真のデコパージュ。美しいのです。切り取られた場面場面をじっと見ていたいくらい。「かげろう」で感化院の脱走青年を演じた、「ハンニバルライジング」(観たいけどちょっとこわい)ではおそろしい殺人鬼になったギャスパー・ウリエルが映像を勉強している学生という設定で、彼の美意識からなのか。ストーリーに入り込むというよりも、この映画の中で自分も美しい存在であるような気がしてくる不思議な映画。そしてフランス語が聞き取りやすい!
スポンサーサイト