その昔、ちょくちょく近くの山にわらびを取りに行っていました。不思議な事に、最初の何分かは1本も見つけられず、最初の1本を見つけると、それからは次々見えてくるのです。さっき歩いた道を見直すと、たくさんあったりするのです。そんな風に探しているものが自分の中に形作られていないうちはちっとも目に入らないのに、輪郭が取り込まれる事によってどんどん見つけられるようになる。
マチュー・アマルリックを「溺れゆく女」で見つけました。これは映画の話し。マチューは「潜水服は蝶の夢を見る」「キングス&クィーン」の大好きなフランス俳優。この「溺れゆく女」、何年か前に観たのに、又観たくなって最近お試しをしているTSUTAYAの宅配メニューで見つけたので借りてみたら、なんと重要な役で出ているではありませんか。当時は全く印象に残ってなかったのに。この前はFIGAROをめくっていて、新しい映画の写真の中に小さなマチューの顔を見つけ、なんで配役に名前が出てないのだ!とぼやく。これは役の問題なのか、私の中に彼の形が作られたからなのか、どちらにしても今後は見逃す事はありえません。ばかみたいな話しですが、こんなことがある度に、私はわらびのことを思い出すのです。ちょっとズレ気味な話しですが。

シネマクレールにやっと「夏時間の庭」がやってきました。随分待たされました。この映画にはパリのオルセー美術館の品々が惜しげもなく使われていて、映像もきれいで、お勧めです。これから観る人もいらっしゃるでしょうからあんまり語らないでおきます。
先日、東京に行く用事があり、前に書いた北欧の作家アヌトゥミネンの展覧会を青山で観て来ました。本で見ていた摩訶不思議な世界が小さなギャラリーに点々と配置され、本物だーと心でつぶやく。でも、でもなんです。私の持っている写真集の方がずっといいと思ってしまった。ごめんなさい。期待しすぎ?
もう1カ所、青山のオルネドフォイユにも行って来ました。フェリシテが仕入れているフランスの紅茶のアンシャンテがそこでコラボしていると聞いていたので。ここはよく本に載っていて前から行きたかったフランスの雑貨、アンティークの店。とてもステキでした。展示の仕方も品物の選び方も、そしてラッピングも完璧。前向きな私は見習う姿勢満開。たまには出て行かなきゃあね。
「蚤の市」11/20〜23もうすぐですよー!
アンティークを並べようと思ったのがフェリシテの始まり。その頃初めて買ったスケルトンのmacで、夜な夜なebayを眺めては苦手な英語で時計やカメオなど入札して買っていたのです。その頃は店をするつもりなどなく、ちょっとした収集といいましょうか、インターネットでこんなことができるという楽しみだったのです。それがひょんなことから店を持つ事になり、それが仕事になってしまった訳です。英語が未熟なもので、何度か思いも寄らないものが届きました。そのひとつがフェリシテの看板でもある大きなポット。写真で気に入って、サイズなどよく理解しないまま買ってしまい、届いた時、その箱の大きさに???開けてみると巨大ポット!何のために使うポットなのでしょう?きっと出品者の説明にはあったはず。けれど細かい説明は飛ばして読んでいたのでしょう。しょうがなく、外の看板に。鉄の作家の井内さんがそれをちゃんと素敵に看板にしてくださいました。今思えば笑ってしまいますが、その頃の私はそんな失敗が全部経験として生かされていたはず。

フェリシテに並ぶアンティークのほとんどはパリの蚤の市(クリニャンクール、ヴァンヴ−)で求めたものですが、こうしてebayで時間とにらめっこして手に入れたものもいくらかあります。それは大好きなチャイナヘッドドールや、イコン、時計といったもの。特に時計は現地で買うよりもebayの方が品質のレベルがはっきりしていて信用できるのです。
11月20〜23日、「蚤の市」を開催します。いつものガレージセールと少し趣を変え、ちょっとだけランクの上のモノが並ぶ予定。服やバッグは一応ブランドのはっきりしたモノ、食器や絵は作者のわかっているモノ、そしてアンティークのモノ、など、存在のはっきりしたモノ、とは言っていますが、おそらくはみだしてしまうでしょうね。出品希望の方はフェリシテまでご連絡ください。出品料は売り上げの20%です。
すっかり寒くなって、今日は初めてフェリシテは暖房をつけました。このまま冬に突入でしょうか?

スリッパが入荷しました!
山口の修道院でシスターたちが作っているあったかいスリパ。私は20年くらい愛用しています。冬はこれさえあればくつしたもいらないくらい。底はフェルトが2重になっていて、足をぴったりと包んでくれます。¥3500 毎年すぐに売り切れてしまいます。お早めに。

屏風祭りが終わり、倉敷に静けさが戻って来ました。毎年屏風祭りには全国からたくさんの方が来られるのですが、この賑わいがいつまで続くのか心配です。単に家の屏風をお披露目するだけでは2回目からは「また同じじゃないの」と言われるのがオチです。私たちも何か工夫をしなければ、と思うのですが。
フェリシテは犬同伴okと言っていますが、それには「おりこうな犬」という注釈がつきます。でも店に連れてこようと思うくらいだからみんなおりこうな犬ばかり。わんわん吠える犬もいないし、おしっこをする犬もいません。そんな中でもうちの看板犬はやっぱり柴犬のはな。はなは裏の仁科さんの犬ですが、夕方にはほとんどフェリシテに来ています。おとなしくてかしこくて、ちょっと臆病なところが欠点くらい。癒し系です。

はな

ズッカ
それからズッカ。シーズーの10才。度々ご主人と散歩の途中現れます。顔がケムンパスに似ていて、がんこなおじさんみたい。おりこうなのですが、おすわりができず、すべて伏せで済ませます。
先日とてもうれしい犬との出会い。たまたま店に来たワイヤーヘアードフォックステリア。話しているうちに私の家で飼っているジャックの兄弟と言う事が判明。何と言う偶然!うちのジャックは10才にしてもう足が立たず、ほとんど寝たままの生活なのに、ロビンというジャックの兄弟は元気。うらやましいのとジャックが不憫でちょっと落ち込みました。同じ兄弟でもいろいろです。

ロビン
冬は寒くて動きたくない、夏は暑くて動きたくない。そんな訳で秋と春にはしっかり働かなきゃあ生きてる意味がないというもの。そんなわけで10月は忙しくなってしまいました。
まず3日は終わってしまったけれど私が関わっている倉敷町家トラストのお月見。雅楽を聴きながらお抹茶にお団子。いい月でした。
10、11日(土日)は恒例のフェリシテガレージセール。これは私のライフワークといっていいくらい大好きなイベント。そうなんです、私はビョーキなくらいモノが好きなんです。だから毎回一番楽しんでいるのは私かもしれません。今回もすでにたくさんの衣料が店の片隅に集まってきています。お楽しみに。
17、18日(土日)倉敷屏風祭り。その昔阿智神社の祭礼は別名で屏風祭りと呼ばれていたそうで、町内の各家が、通りに面した格子戸を外し、屏風を飾り、花を生けて人々をもてなしたと言われています。フェリシテは今まで参加はしていたものの屏風を持っていないので、私の宝物の有元利夫の絵や山本容子のエッチングを飾っていたのですが、今年はこれに併せて、「若山侑さんの仕事」展を企画し、侑さんの型染めの屏風を展示することになりました。これでやっと「ここは屏風は飾ってないの?」と言われなくて済みます。それと毎年店先で販売しているグレープフルーツジュースを今年も絞ります。
そして前にも書きましたが 16(金)〜25(日)までは「若山侑の仕事」展を行います。侑さんはフェリシテのエッチング教室の先生で、型染め、エッチング、リトグラフ、焼き物、いろんな方法で独自の世界を表現している人。その豊かな才能は底知れないのです。ぜひみなさんにも侑さんの世界を観ていただきたいと思います。
ああ、忙しい10月になってしまった。

ついに待ちに待った秋がやってきました。ちょっと気が早いかも。でも朝晩の涼しさはついこの前までの残暑を忘れさせてくれます。秋と思うだけで食欲は増し、秋を肌に感じるだけでおしゃれしたくなるし、秋の夜長は溜まっていた本が読みたくなるし、そして秋、動き出さなければなりません!単純?それくらい私は秋が好きです。
先日大阪に「コルテオ」を観に行きました。目の前で広げられるファンタジーの世界。今まで観た何とも違う色、動きにすっかり心を奪われてしまいました。サーカスと言ってしまうにはもったいないすばらしい演出。絵のような舞台は人と音楽、そして美術が作り上げられる最高のかたち。しばし夢の世界に浸ってしまいました。
舞台といえば、去年パリのオペラ座、ガルニエで観たピナ・バウシュ。シンプルな舞台に布をまとっただけのダンサーの踊りも無駄をすべて取り去った、踊りだけが浮き出された演出だったけれど、それがかえって胸に響いて圧倒されてしまった。いつも理解に困惑するピナの舞台。下調べをして、後からもネットでその意味を知ろうとするけれど、よくわからない。なのに引き込まれる。いつかそんなピナにだれかが今回の舞台はどんな意味を持っているのですか?と聞いた。すると彼女はあっさりと「私はいつも愛を表現している」と答えた。悩んだ私はそこで解放されたのです。
そんなピナ、今年6月の終わりに亡くなったというニュースに大きな衝撃を受けました。
アヌ・トォミネンを知っていますか?
ある雑誌で彼女の作品を知り、気持ちのよい衝撃を覚えました。その気持ちのよさは、彼女の作品に漂うやさしさ、北欧の空気。彼女はフィンランド生まれのアーティスト。その作品は台所や文房具がモチーフで、彼女の魔法の手でそれらが語りかけるものはユーモア、かわいらしさ、遊び心、そしてデザイン性。彼女の作品集をめくるときのドキドキ。そのアヌの展覧会が東京であるそうです。行ってみたいなあ。
http://www.art-u-room.com/art_u_room/Exhibitions_files/tuominen_recreation_pr_jp.pdf
*フェリシテにも2冊の作品集がありますから気になる方は見に来てください。
